腎不全とは
腎臓の慢性の病気のために腎臓の機能が低下し、機能が正常時の30%以下程度に落ちた状態を慢性腎不全といいます。腎臓が尿をつくって老廃物、水分、電解質などを排泄することで、体の中の恒常性が保たれていますから、この機能がうまく働かなくなると、さまざまな症状が起きてきます。また、腎臓でのホルモン分泌、ビタミンDの活性化も阻害されます。 慢性腎不全は何年もかかって腎臓の機能が低下して行くので、腎臓が障害される程度によって症状の出方、治療法も異なります。
腎不全の進行
第1期
腎機能の低下(予備能の低下)
腎機能(濾過能力)が70~50%に低下。
腎臓の予備能力で働きは維持され、特に症状は出ない。
第2期
腎機能の障害
腎機能は50~30%に低下。
血清クレアチニン値が正常の範囲を超えて2mg/dL以上になる。
人によって症状が出てくる。
第3期
腎不全
腎臓の機能が30%~10%に低下した段階。
血清クレアチニン値は3mg/dL以上になる。
腎不全の症状が出る。
薬での治療、食事療法を行う。
第4期
末期腎不全
腎臓機能が10%以下に低下した段階。
血清クレアチニン値は8mg/dL以上。
この段階では尿がほとんど出なくなるので尿毒症が起き、各種の重大な症状を起こして命に関わる。
透析か腎臓移植が必要になる。
腎機能が低下するにしたがって、以下のような多様な症状が出てきます。個人差が大きく、人によって出方が異なります。
検査で分かる尿の異常
・たんぱく尿:腎臓の濾過機能が低下するため、通常より多いたんぱく質が尿の中にもれる。
・血尿:腎臓の濾過機能が低下するため、通常なら尿中に入らない赤血球が尿にまじる。
尿の量
腎機能が低下して行くと尿の量は多くなり、特に夜間の尿の量が増える。腎不全がさらに進行すると尿をつくることができなくなり、尿の量は減る。
排泄機能
・本来なら尿の中に排泄される尿毒素(老廃物)が体内に蓄積され、尿毒症状があらわれる。
初期の段階では疲労感などの症状が現れる。
尿毒素の蓄積が進むと食欲不振、吐き気などの消化器症状、頭痛、注意力散漫などの神経系の症状が出る。さらに進行するとけいれんや意識障害を起こす。
・尿の量が減ると、塩分、水分を排泄する能力が落ちる。体の中に水分がたまってむくむ。特に足、顔がむくみやすい。また血圧の上昇が起こる。
・酸の排泄能力が低下して、体の酸・アルカリのバランスを調整できなくり、血液が酸性に傾く(アシドーシス)。
・電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)のバランスが異常になる。
特にカリウムを排泄する能力が低下し、血中のカリウムの濃度が高くなる。異常に高くなると高カリウム血症を起こし、ひどい場合は不整脈を起こす。
内分泌
・エリスロポエチン(造血ホルモン)の分泌が減少し、赤血球が減少するため、貧血になる。
・血圧を調整するホルモンの分泌が低下し、血圧が上がる。
・ビタミンDの活性化が阻害され、腸からのカルシウムの吸収が妨げられるので血中カルシウム濃度が低下する。その結果、骨からカルシウムが放出されるので、骨がもろくなる。
※腎臓病で高血圧になると、それがさらに腎臓の障害を悪化させるという悪循環におちいる。
慢性腎不全から透析に至る原因となる病気は、現在では糖尿病性腎症がもっとも多く38%、ついで慢性糸球体腎炎が32%を占めています。2001年に透析を導入した約32,000人のうち、糖尿病性腎症の人が約12,000人、慢性腎炎の人が約10,000人でした。糖尿病性腎症から透析に至る人は近年増え続けており、最近10年間で2倍近くに増加しています。糖尿病人口の増加とともに大きな問題となっています。
・代表的な病気
糖尿病性腎症
糖尿病を発病してから血糖値が適切にコントロールされず、高血糖の状態が5~10年以上続くと、腎臓の糸球体の毛細血管が硬化し、濾過機能が低下します。神経障害、網膜症とともに、糖尿病の三大合併症のひとつといわれます。
慢性腎炎(慢性糸球体腎炎)
糸球体が障害を受け、腎機能の低下が徐々に進行する病気の総称。発症には免疫反応が関わっているとみられます。いくつかのタイプがありますが、IgA 腎症がもっとも多く、他に膜性腎症、巣状糸球体硬化症、膜性増殖性糸球体腎炎などがあります。
腎硬化症
高血圧のため腎臓の細動脈の動脈硬化が起こり、血液の流れが悪くなり、濾過機能が低下します。
※ネフローゼ症候群
糸球体から尿に多量のたんぱくが排泄されるため、血液中のたんぱくが減少し、むくみを起こす症状。糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎で起こる。
慢性の腎臓病の多くは、かなり進行するまで特に自覚症状がないので、本人が気づかないうちに悪化します。症状が出ないうちは健康診断の尿検査、血液検査で発見されることが多いので、きちんと健康診断を受けることが大切です。また病気の治療中にも、進行の程度などを調べるため、各種の検査を行います。代表的なものについて説明します。
たんぱく尿
尿にたんぱくが通常以上に漏れているかどうかを調べるもので、たんぱく質のうちのアルブミンについて検査する。健康診断では試験紙でスクリーニングを行う。その結果、(1+)以上の場合、1日の尿を集めてたんぱくの量を検査する。尿たんぱくが1日1g以上は異常。
血尿
通常、赤血球は尿の中に漏れないが、糸球体が障害されると尿に赤血球がまじる。わずかな場合は肉眼では分からない。一般の健康診断では試験紙を使ってスクリーニングを行い(潜血反応)、必要な場合は尿の沈殿物を顕微鏡で観察して赤血球の有無を調べる。
血清クレアチニン値(正常値:0.5~1.2mg/dL)
腎機能低下の指標として一般に使われる。クレアチニンは筋肉から血液中に出て腎臓から尿に排泄される。腎臓の機能が低下すると、血中のクレアチニンの濃度が高くなる。ただし、筋肉量が多い人ではもともと濃度が高く、筋肉の少ない人は低くなる。
血清尿素窒素(正常値:5~20mg/dL)
たんぱく質の代謝でできる老廃物で、血中から尿に排泄されるが、腎機能が低下すると排泄されず、血中の濃度が高くなる。ただし、食事の内容に影響されることがある。
クレアチニン・クリアランス(腎機能検査)
腎機能を評価するための重要な指標となる検査。血液中のクレアチニンと尿中のクレアチニンの濃度を測り、腎臓がクレアチニンを含む血液を1分間にどれくらい濾過できるかを計算する。正常なら、1分間に約100ミリリットルの血液を処理できる(100mL/min)。一定時間内に出る尿をすべてためておき、その一部を検査するという方法で行う。
腎生検
腎臓の組織のわずかな部分を採取し、顕微鏡で糸球体や尿細管の状態を観察する。腎臓の病変の程度を正確に知ることができる。局所麻酔をかけ、医師が超音波の画像を見ながら針を腎臓に刺し、組織の一部を取り出す。数日間の入院が必要。
慢性腎不全の治療には
CKDの治療の目的は、透析が必要な末期腎不全への進行を遅らせることと、心血管疾患になるのを防ぐことです。そのためにも、まず生活習慣の改善が重要です。肥満の是正や減塩を心がけ、規則正しい食事、腎機能が低下した場合には低たんぱく食を摂りましょう。たばこを吸っている人は禁煙に努めてください。高血圧や糖尿病などの生活習慣病がある人は、医療機関を受診してきちんと治療をしておくことが大切です。
予防
CKDの予防には血圧の管理と尿検査が重要になります。家庭血圧計や尿試験紙も市販されていますので、ふだんから、家庭でもこまめに血圧をチェックし、定期的に尿検査をすることをお勧めします。
食塩、みそ、しょうゆなどの調味料を減らしても、塩はパンや麺類、バター、ハムやかまぼこなどの加工食品、インスタント食品などにも多く含まれています。味付けや調理法を工夫して、減塩に努めましょう。
高血圧はCKDの大きな危険因子です。腎機能が低下すれば体内の塩分バランスが崩れて血圧が上がりますし、血圧が上がれば腎臓が障害されて腎機能はさらに低下するというように、高血圧とCKDは悪循環をおよぼしあいます。腎不全はもちろん、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患にならないためにも、CKDを予防し、進展を遅らせる必要があり、そのためには血圧の管理が重要になります。CKDの人には、CKDでない人よりも厳しい目標値が、尿たんぱくが1g/日以上ある人では、さらに厳しい目標値が設定されています。
夜間高血圧や早朝高血圧はCKDを悪化させる原因になりますが、これらは外来血圧を測定しているだけでは見つかりません。ふだんから家庭でも血圧を測る習慣をつけ、きちんと血圧を管理しましょう。
腎臓病は生活習慣病と大きく関わっています。ですから、予防のためには規則正しい食事と適切なエネルギーコントロールが重要です。
生活習慣病や肥満を防ぐためにはまず、暴飲暴食をしないことが一番です。
暴飲暴食は過度のエネルギー摂取につながったり、栄養バランスの崩れた食事になったりしてしまうため、そのような生活をしていると生活習慣病になってしまうリスクが高くなります。日常生活の身体活動量にもよりますが、標準体重1kgあたり30-35kcalくらいのエネルギー摂取が適切でしょう。糖尿病がある場合は、標準体重1kgあたり25-30kcalとします。
標準体重は、身長(m)×身長(m)×22という計算式で算出します。
塩分過多の食生活は、高血圧のリスクを高めます。料理の味付けは薄味にし、出汁や薬味、香辛料などを上手に活用して減塩を心掛けましょう。
加工品や外食では塩分を摂りすぎてしまう場合が多いので、可能であれば自炊をすることをおすすめします。
国が勧める1日の野菜の摂取量は、350gです。
野菜に含まれる食物繊維には血糖値を上げにくくしたり、脂質を吸収したり便通を整える働きなどがあります。
毎食100g以上の野菜を摂取できるように工夫をし、食卓に取り入れてみてください。1食分の見た目の目安は、生野菜なら両手に乗る量・茹で野菜なら片手に乗る量です。
ただし、腎障害が進行した状態では高カリウム血症になる危険があり、野菜は制限する必要があります。
規則正しく、栄養バランスのとれた食事をすることが何よりも大切です。
食事は毎日のことですし、なかなか計算してまでバランスのことを考えるのは難しいとい思います、しかし、より多くの食材を取り入れることで幅広い栄養素を摂ることができるのです。できれば、1日30品目の食材を取り入れることを目標にしてみてください。
肩こりや腰痛は多くの現在人が持っている共通の悩みです。
最近の研究によると筋肉のこりや痛みは筋肉そのものにあるのではなく、その周囲を包む筋膜という袋にあるということが分かってきました。
筋膜は筋肉どうしを隔てる壁になっているだけでなく、全身の体型を維持するようなボデイス-ツのような役割をしています。
最近の研究で筋繊維自体に痛みを感じるのではなく、痛みを感じる場所は、筋膜にあるということが分かってきました。筋肉が損傷を受けるとその周囲の筋膜は固くなり肥厚してきます。その場所は筋膜が厚くなってこれを外から押すとひどく痛い圧痛点があり、ほかの場所にも放散痛を起こします。この場所をトリガ-ポイントといいます
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上の超音波エコ-でやや上部の白く線上になっているところが筋膜です。
この筋膜の凝り固まったところを薬液で直接リリースする(はがす)ことが出来ます
エコ-を見ながら筋膜に針先を侵入させ、筋膜の重積している中にに局所麻酔剤や生食を入れて筋膜はがしをするわけです。
この患者さんも筋膜はがしを行いましたが痛みや凝りはすぐに軽減しています。
慢性のめまいや頭痛が一緒に取れて喜んでいる患者さんもおられます。
肩こりや腰痛で気になっている方はご相談ください
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〇尚当ホ-ムペ-ジでの記事を勝手に引用されても、それに関して発生する問題については一切関与しませんのでご了承お願いします。 当ホームページはリンク してもかまいませんが
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〇また 当院では他の非医療機関への紹介・併診はしておりません。
通院日数、病名など各種問い合わせは、患者さんの同意書・宛先を記入した返信用封筒と切手を同封の上、書面にてお願いします。
書類作成という役務の提供に際し、文書料が発生します。
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しかし注射のほうが飲み薬より効果がよいとか、注射の代わりになる方法ないとかいう場合は注射をせざるを得ません。
膝関節にヒアルロン酸を注射するのに、飲むヒアルロン酸があるからよいと思う人があるでしょうが、それは間違いです。飲むヒアルロン酸は胃酸で分解を受けますので関節に直接届くことはありません。またヒアルロン酸は高分子でないと効果はありませんが、これを直接関節に届けるのは
抗生物質も飲み薬より点滴のほうが効果が強いといえます。またインフルエンザなどの予防も注射しか方法がありません。
すなわち人間は注射を打たずに済ますことは非常に困難です。それでは注射を痛くなくするのにはどのような方法があるかをここに挙げてみたいと思います。参考にしてください。
針は素早く入れ、素早く抜くと痛みが減るといわれています。
2、細い針を使う
注射をするのにもちろん小さい針が痛くないのは当然のことです。
当院ではできる限り小さい針を使うようにしています。
3、注射するところを圧迫する、注射するところをつねる
注射をする部位を針を刺す数秒前からかなり強く圧迫しておき、手を放した瞬間に消毒して注射する と、痛みをあまり感じなくて済むといわれます。
また注射する前に皮膚をつねっておくと痛覚が麻痺を起こします。この方法も痛みをあまり感じなくなります。
4、注射する場所を工夫する。
例えば膝関節の場合,膝の外方より刺入するほうが、内側より痛みが小さいようです。さらに膝の膝蓋骨の
下方より刺入すると、ますます痛みは感じにくいようです。
当院では注射場所を工夫したり、刺し方を変えてみたりしてなるべく痛くないようにしています。
5、注射を打つ前に麻酔薬入りの張り薬を貼る。その後30分ぐらいしたら痛みを感じにくくなります。
また挫滅創はいきなり消毒をすると痛いので、キシロカインゼリ-を塗布して処置を行うようにしています。
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