オコゼに刺された場合

 

オコゼと呼称される魚は、オニオコゼ(鬼オコゼ・虎魚)・ヒメオコゼ・ダルマオコゼ等が有り近縁種としてハオコゼ科のハオコゼが知られている。

 

オニオコゼ:全長20~30cm、背の棘に猛毒が存在する。刺されると猛烈な痛みがある。

棘の付け根にある毒腺から毒が注入される。

 

痛みが手足全体に広がり、酷い呼吸困難から発汗、昏睡が起こり、2~3時間で死亡することも有る。

毒は熱に弱いので、60℃以上の湯で傷口を2分以上洗い、医師の手当てを受ける。

 

通常、釣り人あるいは職業漁師以外刺さ れることはあまりない

 

 

刺されたときの応急処置としては、蛋白性の毒なので、熱湯に患部を浸けると毒が内部で固まり、全身への拡散が防げるとされている。

いずれにしろ刺されたらすぐに医師の手当てを受ける。

症状

  • <局所症状>:しびれ感、激しい痛み、発赤腫脹
  • <全身症状>激しい頭痛、:嘔気、嘔吐、下痢、腹痛、呼吸困難、痙攣、リンパ管炎、ショック(顔面蒼白、冷汗、血圧低下、脈拍異常)

 

治療

<毒物の除去>:棘が残っている場合は棘の除去をおこないます。

傷口の洗滌、消毒(食酢又は消毒用アルコール) 

傷口から口で吸って毒素を排出するのは有効です。

 

<対症療法>:

 

温湯による鎮痛(45℃以下、30~90分、疼痛の取れるまで)、

耐えれるのであればもっと熱くてもOKです。
お湯につける意味は、毒素がたんぱく質成分なので、お湯に浸けることで固まり不活化するようです。
熱いお湯に浸けることで痛みにも効きます。
逆に、間違って冷やすと痛みも増すようです。

応急処置をしっかりしても、傷口は硬くなり、痛みも痺れもしばらくは残るようです。


 

  • 痛みのの激しいときは局所麻醉を行ないます。
    傷口にはステロイド軟膏の塗布。
  • 鎮痛剤や抗アレルギ-剤。強力ミノファ-ゲンの投与などを行います。
  • *破傷風、感染の予防のために抗生物質の投与なども行われます。
  • *血圧低下、ショック状態になれば点滴、輸液療法。
        必要に応じてステロイド、強心剤を投与します。。

<維持管理>:重症の場合、呼吸・循環管理。

 

 

通常の場合、棘に刺された部位を口で吸うことにより特に処置することなく丸1日程度で痛み及びしびれは取れているようですが、重篤な場合、上記の対症療法を実施します。